芥川賞の選考会が7月15日に築地の料亭「新喜楽」で開かれるようです。
芥川賞の候補作は5作
- 石原燃「赤い砂を蹴る」
- 岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」
- 高山羽根子「首里の馬」
- 遠野遥「破局」
- 三木三奈「アキちゃん」
芥川賞の候補作にノミネートされている、石原燃さんはなんとあの文豪の太宰治の孫娘です。
今回は、石原燃さんの「赤い砂を蹴る」のあらすじと芥川賞の受賞の可能性を調べてみました。
石原燃「赤い砂を蹴る」あらすじ

「赤い砂を蹴る」は「文學界」に掲載された石原燃さんのデビュー作です。
ストーリーは、母子家庭で育った主人公千夏がブラジルに訪れ、親子や家族の在り方に向き合う物語。
赤い砂を蹴るは、主人公の千夏がブラジルのサンパウロにあるミランドポリス行きのバスに揺られているシーンから始まります。
ブラジルという異国の地の旅に同行しているのは、千夏の母の友達、芽衣子です。
なぜ二人はブラジルを訪れたのか?
さかのぼること2年前、母子家庭で育った千夏は、苦楽を共に過ごした母恭子を肺がんで亡くします。
恭子は、画家でした。
ある日アトリエで転び、骨折してしまった恭子の手伝いにと紹介されてやってきた芽衣子といつしか仲良くなり、芽衣子の故郷であるブラジルに二人で行くのが夢だったのです。
夢かなわずしてこの世を去ってしまった恭子の代わりに、芽衣子に連れられてブラジルを訪れた千夏。
2人がブラジルを訪れた目的はそれぞれ違いますが、お互いに影響し合い、旅をきっかけに親子や夫婦という「家族」のあり方に向き合う様子をえがく物語。
テーマは、「家族」です。
石原燃さんの祖父は偉大な文豪「太宰治」で、母も著名な作家、「津島祐子」さん。
「赤い砂を蹴る」のテーマは家族ですが、石原燃さんのFacdebookで「母のことを書いた」とおっしゃっています。
「赤い砂を蹴る」単行本の発売日はいつ?
芥川賞の候補作にあがった、石原燃さんの「赤い砂を蹴る」の単行本の発売日は2020年7月13日です。
単行本が気になる方は、楽天ブックスなどでも予約を受け付けております。
石原燃の母、津島祐子の人生

石原燃さんは亡き母のことを「赤い砂を蹴る」で描いたとおっしゃっていますが、母「津島祐子」さんの人生とは一体どのような人生だったのでしょうか?
津島祐子さんは1歳の時に父(太宰治)を失い母子家庭で育ちました。
12歳の時に3歳年上の兄が病死。
1970年11月に結婚し務めている財団法人放送番組センターを退社
1971年に「謝肉祭」を刊行し母子家庭のテーマを描く
1972年5月に長女「津島香似」(石原燃)を出産しています。
その後離婚し、別の男性パートナーが現れたが再婚せずに1976年8月に長男を出産しています。
しかし、1985年3月に長男が呼吸発作のため死去しています。
この体験は後に『夜の光に追われて』『真昼へ』などの作品の主題となる。
このように、石原燃さんの母である「津島祐子」さんは激動の人生を歩み、2016年2月18日に肺がんのため死去されています。
「赤い砂を蹴る」の主人公の千夏の母恭子も肺がんで亡くなっており、作品と自身を重ねているのかもしれません。
「赤い砂を蹴る」芥川賞、因縁の決着は?
石原燃さんは、太宰治を祖父にもち母も小説家で、「赤い砂を蹴る」は母「津島祐子」さんを題材に執筆しました。
芥川賞の受賞は祖父「太宰治」の因縁もありとても気になりますね。
かつて太宰治は、芥川賞選考委員だった作家の佐藤春夫に書簡を3通も送り芥川賞を懇願しています。
しかし、太宰治は芥川賞を受賞することはついにありませんでした。
祖父「太宰治」が懇願するほど、ほしかった「芥川賞」にデビュー作でノミネートされた石原燃さん。
ノミネートされた作品のテーマも「家族」で、芥川賞の因縁にどう決着がつくか今から7月15日の芥川賞の選考会が楽しみですね。